暑さが厳しくなり始めると、店頭でも熱中対策のグッズや飲料など見かけるようになり、
報道番組では連日のように注意喚起が行われます。
私たち人間はそれらの注意に従って、水分だけでなく塩分も含まれた飲料水を飲む、
直射日光には当たらないように帽子や日傘を使う、こまめに休息を取る、
無理せず冷房を使うなど万全の対策をしていると思います。
同じく暑い夏を一緒に生きているペットにとっても、この暑さは厳しいものだと思います。
数年前の夏、東京でも40度近くになった猛暑の年に
当時10才の我が家の雄猫が熱中症のような症状になりました。
それほどの猛暑でも私は、家の中にいれば冷たいものを飲んで、
扇風機をつけていれば我慢できたのと節約のためということもあって、
冷房をつけずに何日も過ごしていました。
そんなある日の日中、猫が部屋の奥から私の方に向かってゆっくり歩いてきました。
よく見ると、目が何かをはっきりと見ているような感じではなく朦朧としており、
体は歩きながらどんどん右に傾いてきてそのまま横倒しに倒れてしまいました。
普段は口を開けて呼吸することはないのに口を開けて呼吸している様でした。
息は荒くおなかの部分が不自然に激しく上下していました。
動物病院が近くになかったのと、とにかく早く何とかしなくてはと思い、
慌てて冷房をつけ、冷水で濡らしたタオルを倒れている猫の首から下を覆うようにかけました。
しばらくすると、少しずつ呼吸が静まり、ゆっくりと立ち上がっていつもの楽な姿勢になったので、
危機を切り抜けたと思いほっとしました。
それまで動物は、自分で涼しいところを選んで好きに過ごしているから
熱中症にはならないものだと思い込んでいたので、私は自分の基準で過ごしていましたが、
毛皮を着ているような猫にとっては逃げ場のない暑さの限界だったのかもしれません。
それ以降、夏になると小さな保冷剤を大きめのバンダナにくるみ、猫の首に巻いています。
首にあたる部分は冷たくなり過ぎないように布が厚めになるようにしています。
始めは迷惑そうにしていましたが、気持ちが良いとわかったようで、
今では冷凍庫から保冷剤を出す音が聞こえると、
どこからともなくやってきて私の横におとなしく座り、巻いてくれと要求するようになりました。
もちろん、冷やし過ぎてはいけないので保冷剤が溶けきってしまう前に外すようにしています。
保冷剤を首に巻くのは、あくまでも家族が家にいて、きちんと見ていてあげられる時だけにしています。
猫によって首に保冷剤を巻くことが良くないこともあるかもしれないので、
すべての猫にお勧めするべき事ではないと思いますが、
一緒に暮らしているペットも厳しい夏を過ごしているのだということを忘れず、
いつも気にかけてあげて欲しいと思います。