気温が高くなってくると気を付けたいのが「熱中症」です。
特に熱中症で死亡した人の8割が65歳以上の高齢者であったことから、
高齢者や家族の中に高齢者がいる人は気を付けるべきです。
何故熱中症での高齢者の死亡率が高くなるのでしょうか。
高齢者が熱中症になりやすく死亡しやすい理由を見ていきます。
まず、熱中症を予防するためには、こまめに水分補給が必要です。
しかし、高齢者は「喉が渇いていないから」とあまり水分を摂らない傾向があります。
高齢者は、あまり喉が渇かないのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
高齢者も喉が渇いているのですが、本人がそれに気が付いていない場合が多いのです。
喉が渇いているのに本人が気が付かないで脱水症状になる
「隠れ脱水症状」に高齢者はなりやすいため、
熱中症になりやすく最悪の場合死亡してしまう確率が他の年代の人より高くなってしまうのです。
脱水を防ぐためにも、経口補水液などを常にストックしておくと良いでしょう。
次に、高齢者になると汗をかきにくくなります。
汗っかきの人からすればうらやましいと感じることもあるかも知れませんが、
汗をかきにくくなるのはかなり問題があります。
気温が高くなってくると暑いと感じますが、それは自然なことです。
外気温に影響されるまま体温が上がり続けると、
体の中に熱がこもって体調不良を引き起こすため、
汗をかくことにより発生する「気化熱」で体温を調節しています。
汗をかきにくいということは、いつまでも体温が逃げていかずこもってしまうということを意味しています。
しかも、高齢者は暑さや寒さを感じる感覚が鈍くなっているため、
自分の体温が上昇していることに気が付きにくいのです。
その結果、体温をうまく下げることが出来ずに熱中症になりやすくなるのです。
さらに、高齢者はエアコンを使いたがらない傾向があります。
「自分が若い頃はエアコンなんてなかったが平気だった。
だから今もエアコンを使わなくても大丈夫!」
と自信満々に話す高齢者もいますが、若い頃は体温調節がうまく出来ていたし体力もあったため、
エアコンを使わなくても乗りきれた可能性が高く、体力が衰え体温調節がしにくくなった現在では、
我慢しないで暑いと感じたらエアコンを使うべきです。
熱中症は、大切な命を奪ってしまう危険性がある症状です。
水分補給をこまめにする。暑いと感じたらエアコンを使う。無理をしない。
熱中症にならないために周りの家族などが気にかけてあげる必要がありますが、
高齢者本人も「自分は大丈夫!」と過信することなく対策を講じることが大切です。