三年ほど前の夏、初めて熱中症を体験しました。
その日は、朝のうちはそれほど体感温度を高くは感じませんでした。
ですから、エアコンはつけず扇風機だけをつけて、
家の中でコザコザした家事を片付けていました。
午前中は大丈夫でした。
しかし、昼になっても食欲はなく、水分も摂りたいとは思わなかったのです。
昼になったら、だんだん体がだるくなって来ました。
でも私は特に変だとは思いませんでした。
だんだんだるさがひどくなり、立って家事をするのがきつくなりました。
少しだけ座って家事をしよう、と座ったとたん、だるさがピークに達しました。
座っているのが辛くなりました。
横になったら今度は体が熱く感じました。
その時初めて「あれ?何かおかしいな」と感じましたが、
そう思いながら気が遠くなっていきました。
夕方の四時頃だったと思います。
「おい、大丈夫か?」という、夫の声で目が覚めました。
「こんな暑い部屋で、よく寝ていられるなあ」と、呆れたように言いながら、夫はエアコンをつけました。
私は起き上がろうとしましたが、激しい頭痛と吐き気に襲われ、
また、へたりこんでしまいました。
「ごめん、冷蔵庫からアイスクリームと、アイスノン取って」と夫に頼み、
アイスクリームを食べました。それから、アイスノンを両脇の下に挟みました。
すーっ、とした冷たさが体に染み渡って行きました。
やっと動けるようななったので、エアコンの効いてる部屋まで這って行き、
そこでまた、ゴロン、と横になりました。
「おい、大丈夫か?お前もしかして、熱中症じゃないのか?」
夫が初めて心配そうに言いました。
別に電気代をケチった訳ではありません。
ただ、午前中がそれほど暑く感じなかったから、扇風機だけをつけていた、それだけなのです。
そしたら、特に何をした訳でもなかったのですが、体がだるくなって立っているのが辛くなり、
座ったら今度は座っているのが辛くなり、横になったら意識を失ったのです。
幸いな事に、エアコンの効いてる部屋で暫く寝ていたら、起きて動けるようになりましたので、
病院には行かずに済んだのですが、体の調子が完全に元に戻るまで、一ヶ月以上を要しました。
それに、一度熱中症を体験したら、それから熱中症ににた症状をよく引き起こすようになったのです。
くせになってしまったのでしょうか。
それからは、夏は昼に暑くなるのは分かっているのですから、
タイマーにでもして、エアコンをつけるようにしています。