あなたは熱中症対策として、次のように考え、実践していませんか?
①汗をかくと、身体の塩分が失われる。
②だから水分には塩を入れて、常に塩分補給をしなければいけない。
③塩飴や梅干を食べて塩分を補給しなければいけない。
④だから以下のようなことを心がけている。
・梅干を一日3個食べる。
・夏は意識的に味噌汁も塩味を増やす
・水分には塩を入れる
あなたは汗をかいたら塩分を補給していますか?
でも、
夏だから、汗をかいたからといって、塩分を意識してとるのは、
実は間違っているのです!!
夏の暑い日、私たちはどれくらい塩分を失っているのでしょうか。
とある実験結果があります。
5時間程、むし暑い部屋で普段どおりの生活をした場合
汗をかいて、出て行く塩分は2g程度
そう、予想以上に塩分は対外へ排出されないものなのです。
日本人の1日の平均塩分摂取量は「10.7g」
人間の身体は本来、1日「2~3g」程の塩分があれば十分なのです。
熱中症予防の為に、塩分を取りすぎると、
かえって高血圧の危険性が高まってしまいます。
熱中症対策で塩分を取るのは塩分の過剰摂取に繋がるのです。
もう少し具体的にに説明しますと、
人間は汗をかくと水分と同時に塩分も排出されます。
その状態で「水のみ」を補給すると、身体の塩分濃度が薄まってしまいます。
そうならないように身体は尿などで水分を追い出そう追い出そうとし、
だから水を飲んでも飲んでも水を追い出してしまう。
結果、熱中症になってしまうのです。
ただし、これは身体の水分と塩分が
同様に体外へ排出された場合を指します。
身体の汗をかく部分(汗腺)には、
汗をかくときに、塩分を身体から排出しないように、
出て行こうとする塩分を取り込む働きがあります。
ですから、じんわり汗をかいている状態だと、
思っている以上に身体から塩分は体外へ排出されていないのです。
しかし激しい運動などで一瞬にして大量の汗をかいた場合や、
家庭菜園などしていて、1日中炎天下の元で作業していた場合は、
汗と同時に大量の塩分を失うことになり、
汗腺の塩分を取り込む働きがおいつかず、
結果的に、脱水による熱中症の危険が高まるのです。
※2時間程度、サッカーなど激しい運動をした場合に
体外へ排出される塩分量は「10g」程度です。
つまり、
「大量の汗をかくときは」
塩分補給が大切ということ。
大量の汗をかかない日常生活では、
以下のことに気をつければ大丈夫。
・塩分は食事で十分
・こまめな水分補給を!
→日常生活で塩分を取ると塩分の過剰摂取になってしまいます。
人間の身体というのはよくできていて、
汗をかいて、水分が減ると水分が欲しくなり、
塩分が減ると塩分が欲しくなり、
糖分が減ると、糖分が欲しくなるのです。
塩分補給の目安は?
30分~1時間程、運動や屋外での作業などで
長時間汗をかくときは塩分補給をしましょう。
びっしょり型汗(玉の汗)の見分け方
①まず、汗をなめてみて、しょっぱいかどうかを判断します。
②汗の水分はすぐに蒸発しますので、蒸発を待ちます。
③肌にのこる塩分は濃くなっているため、水で洗ってから、なめます。
④それでしょっぱければ、それが玉の汗といえます。
びっしょり型汗の時の水分補給のポイント
塩分と糖分を一緒にとると水分の吸収が速くなる
→だからスポーツドリンク、アクエリアスなどは少し甘いのです。
夏の塩分摂取に関する提言(日本高血圧学会)
日本人の食塩摂取量は、
必要量をはるかに超えています。
夏でも、汗を多くかいた場合を除いては、
塩分を過剰に摂らないことをお勧めします
特に高齢者の方はあまり大汗をかきませんので、
塩分をとると、逆に健康を害することになります。
まとめ
塩分補給を意識するのは
「大量の汗をかくとき」