炎天下で活動することで、従来より体調を崩しやすくなります。
ニュースなど見ていると、病院に熱中症患者が運ばれてくる場面をよく見かけます。
自分で体調不良を自覚し、歩いて来院できる人もいます。
しかし、もし自覚症状がないうちに倒れてしまったら…?
頼れるのは周りの助けしかありません。
小学生の夏休みの時でした。
私は母と近所を散歩していたところ、道端に人があおむけになって倒れているのを発見したのです。
場所が住宅街だったので、周辺の住民の方も気が付いて駆け寄ってきました。
5,6人ほどだったと思います。
私は応急処置の知識が全くなく、おろおろするばかりでした。
しかし、周囲の大人たちは冷静に、各自のやるべきことを始めました。
一番患者さんの近くにいた男性は、
周りの住民にタオルや水、日傘、うちわを持ってくるように指示し、
「大丈夫ですか」と声をかけ続けました。
通りがかった若い女性は、苦しくならないよう衣服を緩めました。
母は持っていたハンカチで仰いで風を送っていました。
ここで、私にもやるべきことが見つかりました。
あるおばあさんが電話を取り出し、救急車を呼ぼうとしたところ、住所がわからなかったのです。
私は急いで近所の家に駆けこみ、住所を聞き出しておばあさんに伝えました。
電話を切ったおばあさんが、「ありがとう」と笑顔で言ってくださったのを覚えています。
そこから先の出来事は、一瞬のようでしたが、きっと生涯忘れないと思います。
初めて見る救急車、「こんなに早く来るんだ」と感激したこと、
そして救急隊員が意識確認をしながらストレッチャーで運び込む光景。
衝撃的でした。
後でそばにいた男性に聞いたことですが、倒れていた方は初めは苦しそうにしていましたが、
日陰を作り、風を送ることで少し表情が和らいだそうです。
そして何より、「一刻も早く救急車を呼べてよかった。助けてくれてありがとう」とおっしゃっていました。
熱中症にならないよう、日ごろから水分補給や自己管理をすることは大切です。
しかし、気を付けていても知らないうちに体がダメージを受けている可能性もあります。
例えば、水分補給を忘れてガーデニングや運動に励む方、
ついつい炎天下で立ち話に没頭してしまう方、
夢中で遊んでいて汗を大量にかいた子供さんなど、
身の回りで熱中症に侵されている人がいるかもしれません。
もし外を歩いていて、私のように熱中症の患者さんを見かけたら、
自分の力をぜひ役立ててあげてください。